愛されて30年…
ポータブル吸引器 「スマイル」 の歴史
いつも当社のポータブル吸引器「スマイル」シリーズをお使いいただきありがとうございます。
もともと病院で使用されることを目的として生まれた電動式吸引器「スマイル」。今では在宅介護や鼻水吸引に用途を広げ、多数のバリエーションをもった製品となりました。
1994年に「スマイル(KS-650)」を発売してから30年。ユーザーの皆様のご愛顧に支えられながら、「スマイル」が歩んできた歴史をご紹介します。
みんなを笑顔にしたい。
「スマイル」 誕生(1994年)
初代「スマイル」が発売されたのは1994年。
インターネットもなく携帯電話もめずらしかった頃、病棟や診療所で使いやすい小型軽量な吸引器として誕生。
「この吸引器に携わる人々を笑顔にしたい」という願いを込めて「スマイル」と名付けられました。
当時、電動式吸引器は手術などで使われるものが多く、金属製の箱に入った冷たく重いものが主流でしたが、「スマイル」では使いやすさを重視して思い切った吸引瓶の小容量化と本体のプラスチック化をしました。
コンセントにつなぐだけでなく、バッテリーでのコードレス使用や車のシガーライターにつないでも使える三電源方式もいち早くとりいれ、なかでも、専用の充電台にのせるだけの「おくだけ充電」はとても画期的でした。
※「スマイル」は2004年に製造を終了しております。
家庭向けのスタンダードを目指す。
「パワースマイル」 発売(2004年)
2000年から介護保険制度が始まり、在宅での吸引処置の需要の高まりとともに、スマイルも家庭で使用されるケースが増えてきました。
「スマイル」発売から、ちょうど10年のこの年、「一般家庭向けのスタンダードを目指す」というコンセプトのもとに「新型スマイル」が開発されました。
それが、現在もシリーズ一の人気商品であった「パワースマイル」です。
医療機器であることを感じさせないカラーリングと丸みのある独特のデザインは発売から20年たった今でも他社の製品とは一線を画しています。
在宅で痰の吸引を必要とする大人の患者さんだけでなく、障害をお持ちのお子さんの外出用としても「カワイイ♪」と喜ばれました。「おくだけ充電」から外部充電に変更されたことにより、予備のバッテリーがあれば長時間の外出にも対応できるようになったのです!
外へ出た「パワースマイル」は特にそのピンク色が目を引き、口コミで人気が急速に広がっていきました。
「ポータブル吸引器」という言葉もこの製品から使われるようになりました。
初めてのカラーバリエーション。
「パワースマイル ブルー」
登場(2006年)
大人気の「パワースマイル」でしたが、「男の子なのでピンクは・・・」とか「もっと他の色も欲しい」という声も聞かれました。
そこで、当社では初めてのカラーバリエーションとなる「ブルー」を限定生産品として発売したところ、予想以上の大反響!
当初は1000台の限定でしたが、スタンダードな製品として、ピンクとほぼ同数が出荷されるようになりました。
健康機器ではなく医療機器でカラーバリエーション展開するのは珍しいこと。ブルーを販売し続けられたのも皆様のご愛顧のおかげと感謝しております。
このころから、インターネット通販の普及に伴い、家庭での鼻水吸引用としての需要が拡大していきました。
※「パワースマイル」は2021年に製造を終了しております。
安心して使ってもらうために
シリコーンゴム製
「オリーブ管キット」 発売(2009年)
家庭での鼻水吸引が広まるなか、販売店様の方で鼻水吸引用のオリーブ管を独自にセット販売されるケースもあり、他社製のガラス製オリーブ管に関するご意見が当社にも寄せられるようになりました。
「使い方が取扱説明書に載っていない」「ガラス製なので割れそうで怖い」等々。
そこで、皆様に安心して使っていただけるよう、シリコーンゴム製の「オリーブ管キット」を他社に先駆けて発売。
今やシリコーンゴム製ノズルは鼻水吸引器業界の常識になっています。
また、この年、「パワースマイル」は皆様から寄せられたご意見をもとにマイナーチェンジを行い、より使いやすく耐久性がアップしました。
現場の声に応える。
「スマイルケア」
シリーズ発売(2011年)
鼻水吸引とは別に、高齢化社会が一層進んだことにより在宅や特別養護老人ホーム等の施設での痰吸引の需要も年々高まり、現場では、より強いパワーと大容量が求められていました。
そうした市場のニーズに応えるべく、吸引流量を70%アップし吸引瓶を1000mLに大きくした「スマイルケア」シリーズを発売。
パワーはアップしても騒音や振動は変わらず、消費電力も抑えることに成功しました。
カギは新規設計されたポンプに採用されたブラシレスモーター。消耗する部品も少なく、病棟や施設でもバリバリ使っていただけます。
また、「スマイルケアC」では要望の多かった本体内充電も可能にしました。
この年から、それまでは「医療行為にあたる」として医師、看護士または家族にしか認められなかった痰の吸引が、研修を受けた介護福祉士等でも行えるように法律が改正され、「パワースマイル」、「スマイルケア」の販売を後押しする形になりました。
また、3/11には多くの被災者を出した東日本大震災も発生。災害発生時、電源の無い場所でも使用できる充電式吸引器が改めて注目されました。
ママにも使いやすく。
「スマイルキュート」&
「鼻水吸引キット」 登場(2012年)
インターネットで育った若いママたちを中心に、電動式吸引器による鼻水吸引が一般的になるにつれて、もともと痰の吸引用で開発された「パワースマイル」では「吸引瓶が大きすぎる」、「もっと安くして欲しい」と言った要望に100%お応えすることが難しくなってきました。
そこで、初めから鼻水吸引をターゲットにした商品として「スマイルキュート」が開発されました。
「スマイルケア」とは反対に、吸引瓶の小容量化と本体の小型化を進め、自宅のみでの使用が多いことからバッテリーは内蔵から外付けへと変更。設置面積は「パワースマイル」のおよそ半分、重さは約1.5kgになりました。
より多くの方に使っていただくため、定価もグッと低く抑えました。
さらに、鼻水吸引キットを同時発売。
手の中に隠れるほど小さい容器に吸引ノズルが直結しているため、オリーブ管の使いやすさは残したまま、わずらわしいホース内部や吸引瓶の洗浄の手間を減らすことができます。
※「スマイルキュート」は販売終了しております。
もっとコンパクトに。
「パワースマイルS」発売(2021年)
2004年から長年愛され続けた「パワースマイル」ですが、更なるユーザー様からの声にお答えするため新製品への開発に至り、「パワースマイルS」が誕生しました。
バギーに色々な機器を乗せるママからの「もっと軽量でコンパクトに!」、在宅で介護されているご家族から「日々の部品洗浄をもう少し楽にして!」等切実な声が寄せられました。
そんな声に答えるため、使いやすく尚且つご家族の負担軽減をコンセプトに「パワースマイルS」を開発しました。
重量は「パワースマイル」より更に軽く、持った瞬間に『軽っ!』と声が漏れてしまう1.6kg。
吸引物の飛沫を抑えるサイクロン方式の採用により飛沫の吸い込みを軽減、吸引瓶上部にフィルターを付けることで今まであった安全瓶を無くし、見た目もスッキリしました。また、お手入れの負担が少しでも軽くなるよう、洗浄部品の数を減らしました。
外付け充電器を取り付けることで充電池作動も可能です。
「パワースマイル」同様、長く愛され続ける製品に育っていくことを願っています。
使いやすさの追求。
「スマイルキュートミニ」&「鼻水吸引キットA」発売(2021年)
「スマイルキュート」発売後、鼻水吸引器への口コミが増え、好意的な評判が拡散されていくなかで、鼻をかむことが出来ない小さなお子さんには無くてはならないアイテムへと変わって行きました。
このようなうれしい現象により、更なる使いやすさを追求し、皆様からのご支持を得られる製品を開発したいと考えました。
ご使用者の多くは若いママではありますが、ただかわいいだけの受け狙いの製品を作るのではなく、性能、使い勝手にこだわり、吸引瓶をより小さくすることによるサイズダウンや、併せて鼻水吸引キットも改良しました。
お子様を抱っこしたままでも容易に鼻水が吸引できるよう、鼻水吸引キットを持ちやすくし操作性をUP。サイクロン方式と鼻水ボトルを大きくしたことで鼻水が吸引瓶に流入することが少なくなり、洗浄部品を減らすことができました。
鼻水吸引キットの置き場にも困らないよう、片手でも手軽に本体に鼻水吸引キットを引っ掛けられる『ラクラクフック』を設置しました。
共働きが当たり前となってきた時代、何かと忙しい親御様の手間を少しでも減らし、お子さんの鼻詰まりの苦しさから解放するお手伝いができればと思っています。
最後に
時代にあわせて変化し、種類を増やしてきた「スマイル」シリーズ。
けれど、「皆を笑顔にしたい」という想いは変わりません。
変化のスピードアップに合わせて製品開発のスピードもアップしてきましたが、
常に市場のニーズに応え、業界をリードしていく存在でありたいと考えています。
これからも、ポータブル吸引器「スマイル」シリーズをよろしくお願いします!